- 無電柱化推進法・条例
2018.11.08 | スタッフ
こんにちは!井上Sです!!
大阪は立冬というのに汗をかくような陽気が続いています。紅葉も猛暑のせいで葉がやけてしまっている木もありますね。
今週末11月10日は無電柱化の日です。
平成28年12月に成立した「無電柱化推進法」で決まっているのです。次の文言です。
日本の無電柱化の現状について国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所の論文があります。
一部抜粋します。
2.電線電柱類の現状の課題と知見の整理
(1) 電線電柱類が景観に与える影響を把握する必要性
日本の無電柱化率は,欧米諸都市はもちろん,近年ではアジア諸都市と比較しても大きく遅れている
また,国土全体の配電線に占める架空線と地中線の割合からは,日本が国土全体のレベルでも
無電柱化が大きく遅れていることが明らかである.欧州各国と比較すると,日本は架空配線の延長は一番長く,
一方で地中配線の延長は一番短い.この現状に目を向ければ,無電柱化率を向上させるためには,距離を大幅に
稼がなければならないことが想像に難くない.
しかしながら,近年の無電柱化に向けた機運の高まりや,全国各地における無電柱化に向けた努力とは裏腹に,
電線電柱類は増加の一途をたどっている.
その論文に東京23区の幹線(市街地の都市計画区域の主要幹線道路)の無電柱化率は48%と出てきます。この数字はケーブル延長の数字で、よく言われている東京の無電柱化率8%は道路延長に対する無電柱化率です。
↑東京の中心部で無電柱化がすすんでいるな、と感じるのは幹線を中心に無電柱化されているからですね。
ちなみにこの論文に欧州各国と日本国内の配電線延長の比較グラフが出ています。日本全土の道路延長に対し無電柱化は5879㎞、無電柱化率はダントツに遅れていることがわかります。この表で見ると無電柱化先進国は実はデンマーク、ということもわかります。
平成30年9月28日 付けで内閣官房国土強靱化推進室 が「重要インフラの緊急点検」の実施について プレスリリースを出しています。
9月 21 日(金)に開催された「重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議」を受け、11府省庁において、重要インフラについて合計 118 項目(※)の緊急点検を行います。
2.緊急点検の対象とする重要インフラ
○直近の自然災害で、問題点が明らかになり、国民経済・国民生活を守る、又は、人命を守るため、点検の緊急性が認められるものとして、以下の①〜③を対象。
①ブラックアウトのリスク・被害を極小化する必要がある電力供給に係る重要インフラ
②電力喪失等を原因とする致命的な機能障害を回避する必要がある重要インフラ
③自然災害時に人命を守るために機能を確保する必要がある重要インフラ
その点検項目のなかに電柱があります。
No.101 分野:道路 対象:電柱
インフラ 点検項目名 :市街地等における電柱の危険度等に関する緊急点検
点検の概要:台風 21 号の暴風に伴う電柱倒壊を踏まえて、市街地等における電柱の
危険度、影響度の緊急点検を実施
点検規模:国道 1 号等の市街地を通過する直轄国道、都道府県道、市町村道 約 26 万km
府省庁名:国土交通省
重要なインフラだからこそ長期的視点で無電柱化など実現してもらいたいです。
「大切なものほど目にみえない」 by 星の王子さま
というわけで11月10日は各地で無電柱化の日のイベントが開催されます。
当社代表の井上は東京お台場のイベントで登壇します。写真のうまい棒ももらえるかも(笑)
↑このチラシに乗っている写真は2018年9月の台風21号の際、大阪南部で倒壊した電柱です。強烈ですね。
重要だからこそ送配電設備の強靭化が求められていますね。