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2019.09.18 | スタッフ

台風15号で長引く停電。長い目で見て無電柱化を!85年前の寺田寅彦の慧眼と無策な電線事情を考える。

こんにちは。井上Sです。。

台風15号の暴風でまだ停電の続いている地域の方々に重ねてお見舞い申し上げます。復旧作業の皆様方、ご安全に…。

停電が復旧した後、通電火災があったようです。停電の続く地域の皆様、分電盤(ブレーカー)は切っておいてください。

今回は東京電力からの情報発信が後手に回っていることが被災者の気持ちを逆なでしています。昨年の台風21号で被害を受けた関西電力の報告書などは役に立っていないのか??と疑問に思ってしまいます。

>>関西電力台風21号対応検証委員会の報告書が出されました!

但し、関西電力の対応検証委員会の報告書は「災害に強い設備形成も併せて進めながら、さらなる復旧の迅速化を図る」というのが結論で、長期的に無電柱化を進める、ということは一切書かれていません。なので、長期的に見ても関西電力さんは台風の被害を受け続け、電線が切れて停電したら復旧に力を入れる、というスタンス、と受け取れます。

年々、台風の威力が強まってきていると言われています。この規模の台風が来ることは容易に予想できます。経済産業省も無電柱化の取組みを加速していく方針を明確に出してほしいものです。

85年前の寺田寅彦の慧眼と85年間無策だった?電線事情??

書店の書棚の背表紙が「読んで!」と言ってきたので何気なく買ったら、下のような文章がありました。

「…20世紀の現代では日本全体が一つの高等な有機体である。各種の動力を運ぶ電線やパイプが縦横に交差し、いろいろな交通網がすきまもなく張り渡されているありさまは高等動物の神経や血管と同様である。その神経や血管の一か所に故障がおこればその影響はたちまち全体に波及するであろう。今度の暴風で機内地方の電信が不通になったために、どれだけの不都合が全国に波及したかを考えてみればこの事は了解されるであろう。

これほどだいじな神経や血管であるから天然の設計に成る動物体内ではこれらの器官が実に巧妙な仕掛けで注意深く保護されているのであるが、一国の神経であり血管である送電線は野天に吹きさらしで風や雪がちょっとばかりつよく触れればすぐに切断するのである。…もっとも送電線にしても工学者の計算によって相当な風圧を考慮し若干の安全係数をかけて設計してあるはずであるが、変化の激しい風圧を静力学的に考え、しかもロビンソン風速計で測った平均風速だけを目安にして勘定したりするようなアカデミックな方法によってつくったものでは弛張の激しい風の息の偽周期的衝撃に堪えないのはむしろ当然のことであろう。」

これは昭和9年(1934年)11月に寺田寅彦によって書かれた文章です。(『天災と国防』講談社学術文庫)

まったく、初めて読んだときに台風21号のことを書いているのかと思いました!ところがこの文章は1934年9月の室戸台風(室戸測候所では最大瞬間風速60m/sを観測したあと観測機が故障したと言われているらしい。)について書かれたものです。

ロビンソン風速計から違う風速計に変わったかもしれませんが、85年前から日本の電線事情は変わっていないといえるのではないでしょうか。その間には不幸な太平洋戦争がありましたが、その後の経済成長期にも無電柱化が進んでこなかったというのは疑問であると同時に残念という以外にありません。

経産省は今回の台風で電柱の倒壊・損傷が2000本と推計した、と報道されました。東京電力からの正確な情報はいまだ上がっていませんが、もう少し増えるのではないかとも思えます。

電力はインフラの中でも最重要といえます。だからこそ災害に強い無電柱化を推進したいと思います。

マスコミの報道について考える

今回の暴風による停電の原因は飛来物や倒木による架線切れ、暴風による引き込み線の損傷などがあるようです。地中化されていれば停電にならなかった場所もあり「無電柱化」について取材を受けることが何度かありました。すでに放映されたものがありますが、マスコミは怖いですね。こちらが無電柱化について低コストで地中化を進めたい、と主張しているのに、取材の中で質問されて答えた「電柱補強は地中化より安い」というところだけを切り取られて、あたかもそれを主張しているように報道されてしまったり…。

ジオリゾームは一貫して地中化を提案しており、地中埋設は災害に強いと言ってきました。短期的には高コストに思えるかもしれませんが、長い目で見るとやはり地中化です。マスコミの報道にあおられないよう、今後も無電柱化についての正しい情報を発信していきたいと考えています。

↑昨日はワールドビジネスサテライトの取材を受けました。放映は9月23日23時からだそうです。

無電柱化のことはジオリゾームへお問い合わせください。

 



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