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2024.09.15 | テスト

情報誌”グランじお”89号~最新情報を毎月お届けしています!~

グランじお89号

7/24-26 開催、第 12 回無電柱化推進展に当社も出展しました!

皆さん、こんにちは!今回は、7/24~26 に開催した東京ビッグサイトでの無電柱化推進展のご報告をします!期間中は、多くのご来場をいただきありがとうございました!例年と同様、NPO 法人電線のない街づくり支援ネットワークと共催いたしました。

無電柱化ミニセミナーの様子

壁面には〔当社の宅地開発無電柱化事例―関東エリアー〕の大型のパネルを設け、一目で比べながら説明できるようにしました。例年より空間にゆとりをもった展開。

壁面の宅地開発無電柱化事例では、当社の豊富な施工実績を、今回は東京の展示会という点を考慮して、関東地方中心の施工事例を紹介しました。かつ東京都の補助金制度を活用した事例を施工図面とともに紹介しました。来場者との意見交換がしやすかったと思います。

展示台・カタログスタンドにも豊富な資料を揃えて来場者に配布しました。壁面通路側には、モニターを設置して、会社紹介や無電柱化住宅の施工会社のインタビュー動画を流しました。

7 月 25 日、無電柱化推進展・コンストラクションステージで 井上代表が熱演

今回、井上代表は、講演に向けて様々な関係者への取材を行った。無電柱化のエキスパートとして、なかなか進まない現状をしっかりと取材し、裏付けをとった上で発言しないといけない意図が感じられる。

商店街の格闘

大分市のふないポルトソール商店街 を例に、現地担当者の格闘した様子を伝えている。

1.20年来の悲願

ポルトソール通りの北側にある主要二路線は 30 年以上前に無電柱化が概成している。<市によると、五番街(1998年)、サンサン通り(1993 年)に地中化している>(➾右図)

2.地元の合意形成ができたところから

地元世話役の話では、20 年以上前から市に無電柱化を要望しているが、一向に実現しなかった。市の話では、地元の合意形成ができたところから進めるとのことだった。

3.交互通行を堅持

他の2路線は片側通行だが、ポルトソール通りは交互通行だ。地元の利便性のためにも交互通行は堅持したい。しかし、道路幅員が8mのため、2.5m の歩道確保が難しい状況。これが、遅れた原因の一つ。

4.市担当者の奮闘

これまで、地域と市の担当者とは、密なコミュニケーションをとっており、良好な関係を保つことができていた。この担当者が、奔走して、京都市で同様の無電柱化事例を発見。技術的な問題が前進した。

5.転機は新しい市長

2015 年 4 月に誕生した新市長(現知事)は中心市街地の活性化を公約に掲げており、一気に事業が前進した。

6.工事が不調

2016 年に詳細設計が完了。工事の入札を行うも、不調に終わる。市の中心地という立地と夜間施工ということで、業者が敬遠。工事の規模を小さくして再入札。

7.地上機器が置けない

地上機器は、民地や歩道に 16 基設置するも、それ以上設置するスペースがない。駐輪場不足という問題もあったので、整備エリア内の土地を買収。1 階を駐輪場、2 階を地上機器設置スペースとして 12 基の地上機器を設置して問題を解決した。

7 月 25 日(水)、メンテナンス・レジリエンス展 TOKYO・第 12 回無電柱化推進展で、当社代表の井上が無電柱化と格闘する自治体・デベロッパー・団体の綿密な取材に基づいた講演を行いました。会場はほぼ満員の大盛況の中、「40 分と少し超過」の熱い講演の内容を紹介致します!(下はセミナー会場の様子)

【まとめ】
1、市との粘り強い交渉(20 年)
2、地元の活性化という共通認識(合意形成)
3、世話役の存在
4、奮闘する行政マン
5、地域と行政の密なコミュニケーション

ディべロッパーの格闘

当社で手掛けている 無電柱化住宅地の施工時に起きる問題点 をとり上げた。

1.連系管路(立ち上げ管)

↳開発地内と、既存電柱とを結ぶ連系管路(立ち上げ管を含む)の構築が問題になることが多い。事業主施工ができる場合とできない場合とがある。(特に立ち上げ管)

2.役所の理解

↳今回の船橋市は、極めて柔軟な「神」対応で、ピンチが救われたが、他の自治体ではこうはいかないことが多い。(本復旧なしで検査してもらえた)

3.共用宅内桝

↳すでに実績のある共用桝だが、支店ごと?案件ごと?に本社マターとなり、時間が掛かる。

4.近隣住民対応

↳場所によっては、○ワイ人が出てきたりして、非常に神経を使う。コストも時間もかかる。

5.既設電柱の問題

↳開発地周辺にある、既設電柱が、民地内に建っており、立ち上げができない場合がある。その際、新たに 1 号柱(引き込み柱)を建柱する必要がある場合がある。

6.電線管理者の対応

↳電線管理者内の情報共有・伝達ができていないことが多く、こちらからマメに督促しないと回答が来ない。

7.建築工事との連携

↳無電柱化がそもそもオプションであるため、建築工事の会社が慣れていなくて、頻繁に確認の連絡がある。

■DATA
〇物件名:BCG 船橋日大前
〇事業者:H 社
〇所在地:千葉県船橋市坪井東
〇総区画数:47 区画
〇無電柱化対象区画数:18 区画
〇協議・設計期間:約 5 ヶ月
〇施工期間:約 2 ヶ月
〇電線管理者:東京電力、NTT 東、JCOM
●管路・特殊部の維持管理:船橋市
●維持管理の担保:協定書
●開発道路:船橋市に移管
●無電柱化設備構築:事業主
●連系設備構築:事業主(一部東電施工)

自治体の格闘

国交省の無電柱化好事例にも取り上げられている沖縄県竹富町小浜島の町道細崎(くばざき)線、高知県国道 56 号など取材しました。

竹富町小浜島の無電柱化/概要

1.目 的
・西表石垣国立公園のほぼ中央に位置している竹富町小浜地区の観光振興
・歩行者・車両の安全円滑な通行性の向上を図るため
2.工 期
・令和 1(2019)年 11 月 無電柱化事業の実施方針等の公表
・令和 1(2019)年 12 月 設計・施工着手
・令和 3(2020)年 3 月 抜柱完了
工期:1 年 4 ヶ月
3.路線と全長
・町道細崎(くばざき)線 延長 1,800m/3,020m 交互通行
4.無電柱化の方式
・単独地中化方式:電線管理者が整備することで契約の一元管理(設計・施工)を行い、無電柱化の迅速な推進及び費用を縮減
5.活用した補助制度
・観光地域振興無電柱化推進事業入札、契約等ではなく竹富町観光地域無電柱化推進
事業補助金交付要綱を定め、間接補助対象事業者(電線管理者)より補助の交付申請に対し補助金の交付決定し本事業を実施。また、辺地対策事業債を活用。
○費用負担の割合(国 1/2、町 1/6、電線管理者 1/3)
※本補助金を活用した無電柱化は、電線共同溝と比較し、道路管理者の費用負担が約半分となり道路管理者にとって財政面で有利な手法
6.総事業費
総事業費:620,936,800 円
【沖縄電力】事業費 :468,555,879 円
【NTT 西日本】事業費 :152,380,921 円
【竹富町負担】 :108,300,000 円

竹富町小浜島の無電柱化/問題点

1.沖縄の無電柱化率
↳ 県内の無電柱化率は 1.9%で全国 8 位。離島が多く、まだまだ、無電柱化を進める必要がある。小浜島では、R5~11 年度で約 3.09 ㎞の整備を計画している。
2.自然災害に備える
↳ 令和5年8月の台風 6 号では、県下 34 市町村で約 21万 5600 戸の停電があった。停電時間は177時間(約1週間)。今後も自然災害対策としての無電柱化は必
須事業。
3.観光振興事業費補助金
↳ 地元からも要望の多かった町道細崎線の無電柱化について、沖縄電力から、この補助金を活用しての無電柱化の提案があった。町の負担も少なく、実施することに。単独地中化のため、とくに苦労することなく実施できた。
4.特別高圧電力
↳ 島内を 22KV の特別高圧が走っており、災害時に影響を受けると西表島の電力供給にも影響が出る可能性がある。

高知市国道 56 号の無電柱化/常設作業帯+昼間施工

【事業概要】
事業名 :国道 56 号百石地区電線共同溝
事業箇所:高知県高知市
整備延長:2.2km(道路延長 1.1kmの両側、このうちの130m)
工事期間:令和 5 年 3 月~令和 6 年 3 月(このうちの 6 日間)
道路形態:片側 2 車線道路
交通量 :31,000 台/日
【事業の経緯】
1.無電柱化と併せて、自転車道の整備を行うため、中央分離帯を撤去した。その分のスペースを活用して、常設作業帯を設置し、昼間施工を試験実施した。
2.実施に当たっては、警察と協議を行った。
3.車線規制が必要なかったので、夜間施工よりも効率的に作業が実施できた。

【事業の効果】

1.常設作業帯の確保により、連続的な工事ヤードが確保され、埋め戻し・仮復旧などが不要となり、工事期間、規制期間の短縮ができた。
2.施工費が約 3 割コストダウン(主に労務費)
3.今後も常設作業帯+昼間施工に取組んでいく(国交省)

【今後の課題】

1.歩行者や沿道環境等の状況により夜間も警備員の常駐が必要。(コスト UP)
2.昼間施工の車線規制が難しい。
3.条件が整わないと常設作業帯の設置は難しい。

まとめ

1.無電柱化は時間とコストがかかる
↳ 地域の有力者を巻き込んで、地元がまとまることが重要。コストはまちの活性化の先行投資と捉えよう!

2.自治体との連携
↳ 地元と自治体の担当者との密なコミュニケーションが成功の秘訣!

3.電線管理者との調整
↳ 調整に時間が掛かるという前提での対応が必要。

4.開発に伴う無電柱化
↳ 事例が少なく、電線管理者や行政など対応がマチマチ。ルールや仕様の統一が必要。

5.単独地中化への補助
↳ 単独地中化は今後も推進することが重要。ただし、補助事業は税金も投入されているので、要注意。

6.常設作業帯+昼間施工
↳ 海外では一般的な方法。事例を蓄積していくことと、無電柱化に対する国民の理解と協力が不可欠。

ディベロッパーの格闘にあったように、無電柱化は、多様な手法があるがゆえに、ケース・バイ・ケースで施工時に考え、折衝し、柔軟に進めないといけないことが多いようです。無電柱化に限らないかもしれませんが、統一基準で簡便に進められないか事業者間で話し合えば、もう少し低コスト・スピーディーに進められそうですね。

相談無料の無電柱化に関するお問合せは、下記までお気軽に。

大阪営業所
TEL 06-6381-4000
担当:井上・村上・夏目

東京営業所
TEL 03-5606-4470
担当:望月

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