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- 無電柱化推進法・条例
2026.10.15 | スタッフ
2026年6月2日、国土交通省は「第3次無電柱化推進計画」を決定し、今後5年間で約 1,000km の無電柱化整備完了を目標として掲げた。計画では、防災・減災、通学路の安全確保、良好な景観形成を3本柱とし、「電柱を増やさず、確実に減らす」ことが明確に示された。
大阪においても無電柱化は重要施策として位置づけられ、緊急輸送道路や都市景観上重要な路線を中心に電線共同溝(C.C.BOX)整備が進められている。また、第3次計画では府内19区間が優先整備区間に位置づけられ、防災上の観点からも重点的な推進対象となっている。
しかし、市民の目線では「工事は何年も続いているのに電柱がなくならない」「共同溝が完成したはずなのに景観が変わらない」という疑問や不満が少なくない。 これを裏付けるように国土交通省が以下のような資料を公表している。
この図にあるように、管路整備後 4 年以上未撤去のままになっている電柱の本数が日本国内で 2,800 本もある。 しかもその 63.5%が近畿地方にあるとしている。
大阪市は「大阪市無電柱化推進計画」に基づき、都市防災機能の向上、都市魅力の向上、歩行者空間の安全性向上を目的として無電柱化事業を進めている。
<参考>大阪市無電柱化推進計画
実際には、 福島桜島線、道修町線、大手橋線などで電線共同溝整備が既に完成している。ところが大阪市の公表資料では、これらの路線について「引き続き電線・電柱の撤去工事を進める」とされている。
一方で、大阪駅北 1 号線、精華小学校前通線では「電柱撤去まで完了し、無電柱化が実現」している。 このことから、大阪では無電柱化事業そのものが停滞しているのではなく、「共同溝完成」と「電柱撤去完了」の間に大きな時間差が存在していることが分かる。
最大の理由は、電線共同溝工事の完成が無電柱化の完成ではないためである。 無電柱化には次の工程が必要となる。
つまり、市民が見る地下工事は全体工程の前半に過ぎない。共同溝が完成しても、その後に電力会社、通信会社、道路管理者、沿道地権者など多くの関係者との調整作業が必要となるため、すぐには電柱を撤去できないのである。 特に都心部では地下に水道、ガス、下水道、通信管路などが密集しており、工事や切替作業は極めて複雑である。
今回の第3次無電柱化推進計画では「整備完了率」を評価指標として導入したが、防災分野では管路整備完了を主な指標としている。
しかし、市民が期待する成果は「管路完成」ではなく「電柱のない街並み」である。
例えば、行政資料では「整備完了」(上図の黄色枠で囲った箇所に注目!) 市民から見れば「電柱が残ったまま」という認識のズレが発生している。 その結果、多額の予算を投入しているにもかかわらず、事業効果が見えにくくなっている。
無電柱化を市民が実感できるものとするためには、以下の改善が必要である。
1. 電柱撤去までを一体管理する工程管理 現在は共同溝整備と設備移設が別々に進められることが多い。 道路管理者、関西電力、NTT、通信事業者などが一体的な工程管理を行い、共同溝完成後の抜柱までの期間短縮を図るべきである。
2. 完成指標の見直し 「共同溝完成延長」だけでなく、電柱撤去率、無電柱化完了延長を公表し、市民が成果を把握できるようにする必要がある。
3. 優先路線への集中投資 大阪府内では 19 区間が優先整備区間に指定された。限られた予算を分散するのではなく、防災上重要な緊急輸送道路や都心部の主要幹線道路に集中投資することが重要である。
【参考】大阪市無電柱化計画で整備中の主な 19 路線 大阪市が公表している無電柱化整備計画では、以下の路線が重点整備路線として位置付けられている。
福島桜島線(福島区)、築港深江線、国道 308 号、大阪生駒線、福島桜島線(此花区)、大阪和泉泉南線(あべの筋)、大阪高槻京都線、北野今市線、東野田河堀口線、尼崎平野線、津守阿倍野線、歌島豊里線、豊里矢田線、河堀口舎利寺線、西野田中津線、本庄西天満線、正蓮寺川北岸線、淀川北岸線、勝山通線 大阪市ホームページ参照
【参考文献】 国交省「第3次無電柱化推進計画」始動、大阪府内19区間を優先整備へ 第3次無電柱化推進計画のポイント
*井上代表がやさしく無電柱化を解説する シリーズ動画 を公開中です!ぜひご視聴下さい!
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