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2026.04.13 | スタッフ

ぐらんじお102号~インフラ整備から無電柱化を考える~省インフラがポイント!

皆さん、こんにちは!
今回は、無電柱化と関係が深いインフラについて考えていきたいと思います。
本文を作成するにあたって根本祐二氏の『インフラ崩壊 老朽化する日本を救う[省インフラ]』を参考にさせていただきました。

1.インフラの種類

インフラ(インフラストラクチャー)とは、私たちの生活や企業活動の基盤となる設備・仕組み(社会資本)の総称です。道路、鉄道、港湾などの「交通」、電気、ガス、上下水道などの「生活基盤」、通信網、さらには学校や病院などの公共施設も含まれます。
生活の質(QOL)向上と安全確保に欠かせない、社会の土台となる役割を果たしています。

その中でも、今回は無電柱化と関係の深い公共インフラについて考えていきます。
公共インフラは、大きく土木インフラ公共施設の2種類に分類されます。

無電柱化(電線類地中化)は土木インフラの中の道路インフラに関係しています。

2.インフラ整備の歴史

日本のインフラ整備は、以下の 2 つの時期に大きなピークを迎えました。

(1)1970 年代:高度経済成長期

この時期、日本は急速に経済成長を遂げ、都市化が急速に進みました。それに伴い、全国で道路網や上下水道、河川施設が一斉に整備されました。

急激な戦後復興は成果を上げて、1956 年には経済白書で「もはや戦後ではない」と述べられるようにもなりました。いわゆる高度経済成長期の始まりです。
人口も増加し、ベビーブームが到来して、1958 年には公立小学校児童数、1962 年には公立中学校生徒数がそれぞれピークに達しました。

また、1964 年の東京五輪(1 回目)に向けてインフラも整備されていきました。1962 年、首都高速道路京橋~芝浦間、1963 年、名神高速道路栗東~尼崎間、さらに 1964 年の五輪開催直前に東海道新幹線が全線開通しています。
1958 年の東京タワー、1963 年の黒部ダムなど、日本経済を支える基幹インフラが完成したのもこの時期です。

1950 年代末からの高度成長は1960年代にはほぼ完成しますが、地方公共団体がこぞって公共サービスのレベルを高めようと積み増しをおこないました。また、1970 年の大阪万博を象徴するように、都市インフラ整備国家的プロジェクトとして推進されました。

団地

都心に通う労働者の居住確保のために巨大な団地群が誕生したのもこの時期です。

多摩川住宅(東京都調布市・狛江市、1960 年代〜。総戸数 3914 戸の巨大住宅)。千里ニュータウン(大阪府吹田市・豊中市、1962年入居開始。日本初の本格的なニュータウン)。高島平団地(東京都板橋区、1972 年入居開始。約1 万世帯が暮らす、日本最大級のマンモス団地)など

(2)1990 年代:バブル崩壊後の経済対策

バブル崩壊の時期、景気が停滞したため、政府は景気刺激策として大規模な公共事業を実施しました。景気対策の名のもとに多くのインフラ投資を行いました。道路整備や河川改修が全国で行われ、インフラ量が一段と増加しました。

(3)インフラの耐用年数と 2020 年代の課題

日本の多くのインフラは 「耐久年数 50 年」 を前提に設計されています。
つまり、1970 年代に整備された施設は 2020 年前後、1990 年代に整備されたものも 2030~2040 年代にかけて老朽化のピークを迎えます。

その結果、

同時多発的な老朽化
維持管理や更新の財源不足
技術者不足

といった課題が露呈、顕在化し、これまでの「作っては直す」インフラ政策は持続困難になりつつあります。

社会保障対策のほうに舵をとらなければいけない現在、対 GDP 比は 5%台で落ち着いています。1970 年代、1990 年代で積み増ししたインフラをどう整備・メンテナンスしていくかが必須の課題となってきています。

3.老朽化するインフラ対策として、「省インフラ」という発想

近年、インフラ全体が抱える課題に対し、注目されているのが 「省インフラ」 という考え方です。

(1)省インフラとは何か

省インフラとは、
・文字通り、インフラを減らす
・維持管理しやすくする
・長寿命化を図る
・更新コストを削減する

といった視点でインフラを見直す取り組みの総称です。

上の「インフラを減らす」「維持管理しやすくする」は上記1.の表にある「公共施設」においては反映しやすいと考えます。
これは、今後ますます深刻になる「人口減少」から想定し、その対策も含めて考えたものです。

「維持管理」に関しては、少子化に伴う学校施設の統廃合、町のコンパクト化に伴う公共施設の集約化による施設の削減が考えられます。施設の削減に関しては、単純に削減するだけではなく、多機能化も図る。

例えば、小中学校を1箇所にまとめる。図書館のなかに人びとが集う機能も兼ね備える。公民館の施設内で図書の貸し出し業務や行政サービスも担う。過疎地域には、拠点施設からデリバリー業務(訪問販売・訪問診療・訪問介護など)を行うなどである。

これらのことは、既に実施されていることではある。

(2)公共施設の負債をプラスにする方法は

公共施設をプラスにする方法は考えられないだろうか。
例えば、老朽化したり、統廃合されて使いみちがなくなったりしたインフラについては、施設を賃貸物件にするとか、民間に移譲するとか、更地にして駐車場にするとか。

人口が減少している状況もあるので、払い下げや譲渡に苦慮する面もあると思うが、維持・管理費を減らすだけでもプラスの効果に働きます。

(3)土木インフラは減らすことが難しい?

公共施設に比べて、生活基盤として支えている土木インフラに関しては、削減することが難しいと言えます。現在考えられる削減としては、老朽化した歩道橋の撤去くらいでしょうか。

これに関しては、量を維持して費用を削減する方法が主になるかと考えます。道路を管理している国土交通省もその線で進めています。

4.土木インフラで有効な対策は

「省インフラ」を意識したよりよい土木インフラ維持の方法を考えてみると、様々ありますが、主なものをあげてみます。

(1)保全方法の考え方①…事後保全・期間基準保全・状態基準保全・リスクベースマネジメント(RBM)

・事後保全…消極的な保全方法ですが、利用者が安全に利用できない状態になったときに保全する方法。修繕するまで維持管理費が最小限で済むことが利点。

・期間基準保全…過去のデータをもとに経験的に劣化するタイミング(時間)を想定し、そのタイミング(直前)で更新する方法。

・状態基準保全…状態を点検、客観的に診断し、結果に基づいて安全性や機能不全を実際に確認するので最も確実な方法。
5年1度の定期点検などがこれにあたる。

・リスクベースマネジメント(RBM)…障害が発生する可能性、発生した場合の損失の大小などを判断基準として、異なる保全方法を組み合わせる方法。例えば道路舗装のアスファルト・コンクリートの耐用年数は15年だが、予算上15年で打ち替えをしている例は少ない。トラックなどが通る幹線道路は平均30年、その他の生活道路は50年など、リスクを最小限に抑えながら柔軟に考えていく方法。

(2)保全方法の考え方②…長寿命化・短寿命化を取り入れる

・長寿命化…長寿命化は、複合的なインフラのうち、耐用年数の短い部分だけを交換することによって全体を更新しなくても使用可能年数を引き上げる方法。
現在行われている電線共同溝方式の無電柱化がこれにあたるのかと考えます。しっかりした構造のもので、部分的に点検・修繕していくことが考えられます。

・短寿命化…使用年数が短い分、割高になるように見えますが、初期費用がその分安ければ費用対効果は必ずしも割高にならない方法。
ヨーロッパなどで行われている簡便な配電・施工方法がこれに該当するかと考えます。
災害が多い日本だからこそ、逆に、ある程度の耐久性にとどめ、迅速な復旧もできる低コスト・短期間の無電柱化施工を検討してもよいのではないでしょうか。長期間の工事での住民の騒音などによるストレスも軽減されるかもしれないし、施工技術の軽減で人手不足対策にもつながるかもしれない。

 

5.無電柱化を低コストで進めるためのポイント

(1)これまでの「量的拡大」から「質の維持」へ

高度成長期は「作ること」が目的であったが、現在は「維持し続けること」も最重要課題となっている。

(2)インフラ整備から考える無電柱化

無電柱化とは、電柱・電線をなくし、地中化する取り組みである。
これも省インフラの考え方と密接に関わっている。

(3)無電柱化のメリット

・防災性の向上…台風・地震・倒木による停電リスクを低減
・景観改善…街並みの価値向上、観光地のブランド力向上
・道路空間の有効活用…歩道拡幅、バリアフリーの推進
・維持管理効率の改善…地中にある分、定期補修の頻度が少なく、長期的なコストを抑制。さらに浅層埋設や簡便なケーブル敷設の工夫などによって、コストの削減(高コスト・長工期の解消)が期待されます。

(4)カルチャーを育む土壌づくり

・⑶のメリットを促進し、市民に無電柱化のよさを理解してもらうことがなによりも大事で、無電柱化が当たり前くらいに発展すれば、昼間工事への理解、簡便な無電柱化施工への理解、地上機器設置などの合意形成も現在よりはスムーズにいくのではないでしょうか。生活基盤を整備・維持管理しながら、日頃生活している空間を豊かにすることが、現在の日本に求められているのではないでしょうか。

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