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無電柱化コラム

2017.11.01

2つの重要伝統的建造物群保存地区「福井県熊川宿」と「沖縄県竹富島」の無電柱化への取組みをご紹介

無電柱化で青空が広々と映える福井県熊川宿

今も昔ながらの情緒を残す宿場町、熊川宿の街なみは、落ち着いた時間を旅人に与え続けており、1996年に(10.8ヘクタールが)重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。又の名を鯖街道とも言われ、往時の賑わいがしのばれます。

鯖街道の歴史

古代、若狭は朝廷に食料を献上する御食国(みけつくに)のひとつでした。日本海で獲れた魚や貝が遠路はるばる京都へ運ばれ、「京は遠ても十八里」と言われるようになり、特に18世紀後半からはたくさんの鯖が若狭の海で陸揚げされ、「鯖街道」と称されるようになったのです。与謝蕪村も鯖を背負い都に入る若狭の人々が目に止まったのか「夏山や 通ひなれたる 若狭人」と詠んでいます。

熊川宿の誕生

秀吉に重用され若狭の領主となった浅野長政は、天正17年(1589)に熊川が交通と軍事において重要な場所であることから、諸役免除して宿場町としました。以来40戸ほどの寒村が200戸を超えるような町とまりました。 (熊川宿パンフレットより)

町並みの特徴

平入建物(棟を街道に対して並行させた建物のことで、街道側では軒が真っすぐに見える。)と妻入建物(棟を街道に対して直角に置く建物のことで、街道側では、屋根の三角部分が見える。)が混在しながらも、連続性を持った町並みを形成しているのが特徴です。また、熊川宿の歴史的景観に欠かせないのが、豊富で流れの速い水路である“前川”です。この清水は“平成の名水百選”に選定されました。
歴史的な町並みには珍しく、道路幅員が広いことも特徴です。道路が広いことで、ゆったりと町歩きを楽しむことができますし、無電柱化されているので、空が余計に広く感じ、解放感があります。

無電柱化されている熊川宿を歩いてみて

全長約2キロの町並みは、時間が止まったかのような、ゆったりとした時間を演出してくれます。 そして、前川のせせらぎが、私たちの心を癒してくれます。 住民の方々は、親しげに挨拶をしてくれ、こちらも、自然と挨拶が口から出るような、安心感のある町です。

おすすめは、“語り部”さんに道案内をしていただくことです。熊川宿の町がより身近に感じられ、より楽しい旅を 満喫することができますよ! 大阪からでも、2時間程度で行くことができます。 ぜひ、歴史的な町並みを体験してみてください!

 

沖縄県竹富島の無電柱化への取組み

もう一つ、伝統的建造物群保存地区(町並み保存地区)に指定されている沖縄県竹富島の無電柱化(電線地中化)への取り組みを少しご紹介したいと思います。

竹富島とは?

竹富島は、赤瓦屋根の木造家屋、琉球石灰岩の石積み、白砂の道に代表される伝統的な町並みが残り、87年に文化庁から伝統的建造物群保存地区に指定されています。
その町並みが観光資源となり、年間40万人を超える観光客が島を訪れるなど、有数の観光地となっています。

無電柱化で竹富島の景観くっきり

集落内に無数に伸びる電線類は、住民生活のうえで必要不可欠ですが、景観を損ねる最大の要因となっています。このため、島では、87年の伝建指定とともに実現した電話線の地下埋設を機に、町や県、沖縄電力などにすべての無電柱化(電線地中化)を要望し続けてきました。
2009年11月、住民念願の電線類地下埋設工事が始まりました。同島では1982年に電話線が地下埋設されてから、電線を含めた地下埋設を町などに要望し続け26年ぶりに実現しました。今回は、港から集落の中央に伸びる町道大舛線の集落内道路(約720メートル)のみの整備となりましたが、町では、伝建地区の島の景観に配慮し、環状線内の全町道32路線(総延長9.6キロ)で地下埋設を計画しており、今後、埋設区間の年次的な拡大が期待されています。
昨年、整備が始まったのは、集落の中心を通り、竹富東港までの町道大桝線のうち、集落内の起点から環状線までの約720メートル区間。計画では、道路片側に幅約1.3メートル、深さ約1.2メートルの共同溝を掘り、そこに電力用の直径10センチの塩ビ管8~10本、通信用の直径20センチの塩ビ管を埋設。地上部のトランス(7個)は、周囲の町並みに配慮し、民家内に設置されます。共同溝埋設後は、町道の歩道に使用されている白色の舗装を施すことになっています。
総事業費は約1億8300万円。このうち国庫補助が1億4500万円(79.2%)、町負担が3600万円(19.7%)。残りを沖縄電力とNTTが負担します。 2010年2月24日の工事完了を目指します。町では、大桝線を含む島内の環状線の内側の全町道(32路線、総延長9.6キロ)の電線類地下埋設を沖縄ブロック電線類地中化協議会に要望しており、09年度からスタートする第6期無電線化計画 (5カ年間)の中で、整備が検討されます。

竹富島の無電柱化の今後

電線類地下埋設がスタートしたことを受け竹富公民館の館長は「26年間の住民の訴えがようやく報われた。竹富島のブランド力向上にもつながる。これを機会に主要道路だけでなく、すべての道路で地下埋設を実施してほしい」と話し、10年以内での集落内の電線類地下埋設に期待を込めました。 また、自動販売機や看板、のぼり旗など、まだ島の景観にそぐわない物があることから「地下埋設を機に景観に対する住民意識を高め、島の景観を守っていきたい」といいます。
島では、無電柱化(電線地中化)で不要になる電柱類は、外灯用に使用することも検討されています。中学生から「星が見えるような外灯にしてほしい」という要望があることから、外灯を設置する高さや構造などを工夫し、できるだけ光が空に漏れないよう配慮する方針です。このほか、共同溝整備のなかで、下水道処理施設から各家庭に配管し、処理水(中水)をトイレや庭、道路などへの散水に使用できないかという声も上がっています。
八重山毎日新聞:2010.2.2 参考

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