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2026.03.06 | スタッフ

無電柱化の課題シリーズ その1~未撤去電柱がなんでこんなに多いの!?~

お元氣様です!
今朝の大阪は氷点下!の氣温でした!しびれました!
大雪になっている地域もあります。雪には十分ご注意ください!

雪と言えば、雪の多い地域では、電線に雪が付着して、その重みで電線が切れるといった被害が毎年のように報告されています。また、強風での被害も報告されています。

ところで、無電柱化の工事が完了し、ケーブル類を地中に配線した後に、不要になった裸の電柱(ケーブルやトランス、クロージャーなどが撤去された後のただの柱)はどうなっているかご存知ですか!?もちろん、速やかに撤去されて、きれいな空が復活していると思いますよね?

私もそう思いたかったのですが、実は、私の大阪の事務所の前の歩道も10年程度前に無電柱化の工事が行われていました。やったー!これで、歩道が広くなるし、景観もよくなる!さらには、防災上も安全だ!と喜んでいたのですが、あにはからんや!待てど暮らせど、電柱と電線はなくなりません。歩道上には、工事の爪痕(インターロッキングをはがした後)がはっきり残っているので、工事は間違いなく終わっています。

数年後、しびれを切らして、管轄の土木事務所に問い合わせたら、いろいろあって、まだ電柱の撤去ができない、という何ともあいまいな返事でした。

そして、さらに数年経ったある日にまた、電話してみたら、地中の配管に電線を入線しようとしたが、なぜか、管路がつぶれてしまっていて、電線を通すことができないので、再度掘削し、管路を修理するところだとの回答…。はあっ!ですよね。

埋設した配管が、別の事業者によってバックホーでひっかけられて破損することはたまにあります。実際は、埋設した管路の上には、注意喚起の埋設シートが設置されているので、他事業者が掘削した際には氣づくはずです。ということは、当初施工した会社の施工不良なのかもしれません。

しかし、今となっては真相を確かめることもできないと思います。それで、配管のやり直しをした工事が右の写真です。本来の色付きのインターロッキングをめくってそのあとにアスファルト舗装で仮復旧していますね。実際に現地で見ると、結構な距離を掘削しているようです。

普通は、管路がへしゃげたところだけを掘削して、やり直せばいいのですが…。ひょっとしたら、全体的に管路がへしゃげていたのか、それとも、どこでへしゃげているのかが不明だったのかもしれません。

当社も、新規住宅開発地での無電柱化の際に、たまに他事業者によって、管路をへしゃげられて、電線が入線できない!とデベロッパーさんから呼ばれることがあります。ただ、無電柱化工事完了後の導通検査(敷設した管路の中をテストピースをロープにつないだものを引っ張って通し、管路異常がないかを見る試験)ですべて問題ないことを確認していますので、この際も、他の事業者の破損ということがわかりました。

実際に、ジオリゾームではこういう場合に、管路の中がどうなっているのかをファイバースコープを使って確認するようにしています。これでみると、明らかにへしゃげていることが確認できます。また、ファイバースコープがどこまで入ったかによって、おおよその破損位置の確認も可能になりますので、修理も必要な箇所だけの掘削で済むようになります。ファイバースコープ自体は1万円から数万円程度なので、管路を扱う事業者さんは購入をお勧めします!

この写真は実は別の事実も映し出しています。写真中央の濃い黒の仮舗装と、写真下側にグレーになった舗装の跡が見られます。この舗装は、こう黒い部分と明らかに年月が古い舗装です。ということは、同じ場所を数年?前に掘削している可能性があります。これが、当初の電線共同溝の仮復旧のあとなのか、はたまた、そのあとに各建物へ引き込み管路の設置を行うのですが、その際に掘削した痕跡かもしれません。そうなると、引き込みを行った事業者が破損した可能性もあります…。

あくまで、推測ですが、地下は見えないので、工事をする際は、よほどきれいな仕事をしなければ、あとあと問題になる可能性があるということですね!
ところで、これまで書いてきたような無電柱化の工事が終わっているのに、電柱が残っている個所は、全国でどのくらいあると思われますか?

答えは上の資料をご覧ください。昨年の12月に開催された、「無電柱化推進のあり方検討委員会」で配布された参考資料です(公開資料)。

これを観ますと、令和6年度末時点で、電柱の未撤去本数は約5,800本!となっている。しかも、施工が完了して、10年以上たっているものが27%(約1,566本)もあります!このうちの数本が、私の事務所の前の電柱です!せっかく、無電柱化をしたのに、電柱が残っていては、台無しですね!

無電柱化工事に、電柱撤去が追い付いていない現状が明らかになっています。この原因として考えられるのは、いくつかありますが、

  1. 電力会社の電柱撤去予算が十分ではない(可能性がある)
  2. 沿道住民の立ち上げ管設置に関する合意形成が図れていない。
  3. 無電柱化と電柱撤去の担当者が分かれていて、電柱の撤去まで管理ができていない。(人事異動などもある)
  4. 電気の系統の関係で、まとめて抜柱しないといけない施工区分になっている。小分けが難しい。

などなどです。これ以外にも、電柱が撤去されると、電柱広告が掲示できなくなるために、抜柱したくない圧力が働く(これはあくまでも 推測です)。

それにしても、災害リスクを考慮すると、早期に電柱撤去が必要です。今後は、この未撤去問題を受けて、国土交通省も対策を検討して、実施していく方針を打ち出しています。

京都大学の大庭教授の研究『着手・完了・抜柱時点を考慮した 無電柱化事業が周辺地価に及ぼす因果的影響』によりますと、京都市内で無電柱化した路線において、工事着手と工事完了時、電柱抜柱時点での地価の変動を調べたら、下の図のように、抜柱時に大きく地価が上昇していることが分かります。

工事の個所から50mの地点で2010年~2018年度で見ると、実に21.9%も地価が上昇しています。無電柱化はコストがかかるとよく言われます。しかし、工事が完了して、電柱が抜柱した時点で地価が2割も上昇するのであれば、費用対効果も十分あるのではないかとこの研究は示唆しています。

無電柱化はコストがかかるだけでなく、経済効果もあるということです。そういう意味では、電柱未撤去は経済効果が発現されないわけですので、公共工事の経済効果が先送りされている状況にあると言えます。

今回は無電柱化問題点として、電柱未撤去について書いてみました。次回は、来年度に公表予定の第9期無電柱化推進計画の骨子について書いてみたいと思います!乞うご期待!!

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