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- 無電柱化工事
2024.06.06 | スタッフ
こんにちは、ジオリゾームの夏目です。本日は、電線類地中化の方式について説明していきたいとおもいます。
目次
その①は、電線共同溝方式です。 電線共同溝の電力分岐桝
電線共同溝方式とは、「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づいて、電線の設置と管理を行う2つ以上の電線を収容するために道路の管理者が道路の地下に設ける施設(電線共同溝)を整備する方式です。
その際の費用負担は、電線共同溝法に基づき、道路管理者及び電線管理者等が整備費用を負担することになっています。一般的に、道路管理者は道路区域内の地中管路本体の建設を行い、電線管理者は、地上機器の設置、地中管路へのケーブル(電力・通信)の入線、民地内の引込設備の設置、電線・電柱の撤去を行います。道路敷内の管路等は道路付属物と位置付けられています。
電線共同溝のイメージ:国交省HPより引用
【施設の内容】 電線を収容するための設備として以下の施設が設置されます。
道路管理者ではない地方公共団体が管路設備の費用を負担して、設備を敷設・管理する方式です。設備構造は電線共同溝と同様であり、管路等は道路占用物件として地方公共団体が管理します。管路設備の材料費及び敷設費を地方公共団体が負担し、電線管理者からは負担金を徴収せず、ケーブル入線に要する費用は電線管理者が負担します。
第2期電線類地中化計画(平成3~平成6)の頃には、計画全体の約2割を占めていましたが、現在は実施されている例は少ないです。費用負担は管路及び特殊部は地方公共団体が負担し、ケーブルや地上機器については電線管理者が負担をします。
単独地中化方式とは、電線管理者が自らの費用で地中化を行う事業手法で、地中化に要する費用は基本的に電線管理者が負担し、設備を所有して管理をします。昭和61年以前より実施されており、第一期電線類地中化計画(昭和61年度~平成2年度)では、計画全体延長の約8割を占めていましたが、新電線類地中化計画(平成11年度~平成15年度)では、計画全体延長の約3%であり、現在、実施されている例は極めて少ないのが現状です。
管路等は電線管理者が道路占用物件として管理し、費用についても電線管理者自らが全額負担することになります。また、電線事業者独自のより厳しい品質規格があるため、材料費も割高になる傾向があります。
令和元年度より、「観光振興事業費補助金(観光庁)」で単独地中化方式を支援することができるようになるなど、電線管理者が行う無電柱化への支援が拡充されてきています。
【開発事業に伴う無電柱化整備事例】
最後に要請者負担方式です。全国10ブロック毎の道路管理者、電線管理者、地方公共団体等の関係者からなる地方ブロック無電柱化協議会で優先度が低いとされた箇所において電線類地中化を実施する場合に用いる手法です。個別の要請により要請者の負担で無電柱化が実施される場合において用いる事業手法であり、原則として電線類地中化整備費用は要請者が負担する必要があります。
現在は、区画整理事業、再開発事業、開発等の都市整備事業などにおいて、事業主であるディベロッパーや不動産会社が実施する場合にも採用され、費用は要請者である開発事業者が負担するようになります。なお、市街地開発事業等において無電柱化を行う場合は、一般送配電事業者が一定程度の費用(約1/3:地上機器・電線等にかかる費用)を負担することとなっています。
これらの分類をまとめると、下記のようになります(*国土交通省資料より引用して作成)。
当社に多く相談が寄せられる開発事業(戸建て開発事業、土地区画整理事業等)に伴う無電柱化整備・工事は、要請者負担方式に含まれます。この方式の管路等の維持管理主体については、関係者協議により決定されます。それについては以下に詳述します。
電線類地中化の街【サンクチュアリ・ヒル箕面】
要請者負担方式で整備した電線類地中化施設の維持管理方法については、3種類の方法があります。
事業主の負担で整備した電線類地中化設備(各電線事業者用の管路・桝等の設備)を道路管理者に道路付属物として移管し、以後の維持管理をしてもらう方法です。
道路管理者への移管後(施設の引渡し・無償譲渡)に道路管理者が電線共同溝として路線認定して、法的な縛りをかける場合もあります。 多回路開閉器
事業主の負担で整備した電線類地中化設備を、住民で作る自治会や管理組合で管理する方式です。電線類地中化設備は、住民で維持管理をしていくので、災害時の設備破損の修繕が発生するリスクがあり、そのための管理費を積立ておくなどの準備が必要になります。道路管理者への占用料についても協議が必要となります。 神戸市の電線類地中化設備
事業主の負担で整備した電線類地中化設備を各電線事業者(電力会社、電話会社、ケーブルテレビ会社など)が設備を引き取り維持管理していく方式です。設備の移管に応じてもらえない場合は、事業者の費用負担で、電線事業者自ら工事をしてもらうことも可能です。
しかしその際は、参画事業者毎に工事費用を負担する必要があるため、費用の増大と工事期間が長くなる可能性があります。
管理については単独地中化方式と同じ内容の管理方法なので、道路管理者及び事業者に負担は生じません。
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