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無電柱化コラム
無電柱化とは、電柱を使用しないで電力や通信のサービスを供給できる設備を整備することで、
・道路の地下空間を活用して、電力線や通信線などをまとめて収容する電線共同溝などの整備による「電線類地中化」
・表通りからみえないように配線する裏配線などの「電線類地中化以外の無電柱化」
と、大きくわけて2つの種類があります。
2016年には無電柱化推進法も成立し、少しずつですが、日本国内でも無電柱化がすすめられています。
電線を地下埋設して電柱をなくすことで、「防災」「安全・快適」「景観の向上」など多くの直接的なメリットだけにとどまらず、それらの結果「資産価値アップ」「地域の活性化」など副次的な効果ももたらします。
地震・台風などの災害では、電柱が倒れることで道路が塞がり緊急車両の通行が遮断され、ライフラインも遮断されます。そのため通行可能なほとんどの道路では交通が麻痺し、大渋滞により救助・復旧活動が遅れてしまうのです。
電柱が無くなることで、倒れた電柱の人や建物への被害や道路がふさがれる恐れが無くなり、災害に強いまちづくりができます。
実際に、阪神淡路大震災における神戸地区の架空線と地中線の通信ケーブルの被災状況で、地中線の被災率は、架空線の80分の1ということが報告されています。
電線を地下に埋めることで電柱がなくなると、歩道の電柱を避けるために道路に飛び出すなどの危険な行動もなくなり、歩道が広く使えます。ベビーカーや車椅子、お年寄りにも安心で快適な歩行空間となります。
出典:国土交通省ホームページ
頭上に張り巡らされた電線類が道路の下に埋設されるので、スッキリとした、空の大きく見える美しい街並みになります。
電線が地下埋設されている無電柱化地区の宅地価格と、無電柱化されていない地区の宅地価格の格差に基づき、「不動産鑑定評価」「新規団地開発を想定したデベロッパーの視点」「統計分析」の3手法から価格的なアプローチにより無電柱化が宅地価格に与える影響の程度を査定しました。
結果として、それぞれの手法ごとに約4~9%のプラス効果が見出されました。
川越市では、町並みが観光資源になったことで、地域商業が活性化しました。
知名度向上による経済効果も。NHKの大河ドラマ「春日の局」にあわせ、 観光客は、年間150万人から400万人に増加。
無電柱化は、観光や経済の面でも大きな効果を発揮しています!
電線共同溝方式は、道路の下(地中)に電力線、通信線等をまとめて収容する方式です。沿道の各戸へは地下から電力線や通信線等を引き込む仕組みになっています。
この方式ではメンテナンスがほかの方式と比べるとしやすいですが、コストが高い・狭い道路では使えないなどのデメリットもあります。
出典:国土交通省ホームページ
無電柱化は技術開発により、新しい方式へと変遷を続けており、浅層化とコンパクト化によりコストも下がってきています。また、狭い道路でも無電柱化が可能になってきています。
メリット:電線共同溝よりも浅い位置に埋設するので工期短縮可能。
デメリット:メンテナンス時に他のケーブルを傷つける恐れがある。
メリット:狭隘道路での無電柱化が可能になる。メンテナンスがしやすい。
デメリット:施工性が低く、工期が伸びる場合もある。
メリット:圧倒的にコストが低い。また工期も短い。海外では主流の方式。
デメリット:メンテナンスが難しい。また断線の可能性が他の2つの方式に比べて高い。
(一部、NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークHPより引用)
完全な無電柱化(電線地中化)以外にも、電線を目立たなくする方法があります。
地上機器トランスの設置場所を確保できない場合で、トランスを街路灯柱などに乗せ、電線類は地中配管する方式。
メインストリートの裏通り等に電柱を配置し、引込む電線類を家屋の軒下や壁面等に配置する方式。
メインストリートの裏通りや民地内等に電柱を配置し、メインストリートから電柱が見えないように整備する方式。
無電柱化には様々なメリットや方法があります。当社では、独立系の強みを生かして低コスト手法を導入したコンサルティングを行い、その場所に合った無電柱化プランをご提案いたします。
無電柱化について気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください!
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