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無電柱化コラム

2019.09.19

無電柱化は災害に強い!地震多発地帯日本での効果について

無電柱化(電線地中化)の被災率は、架空電線の1/80です。地震、台風などの自然災害に強い日本をつくるために無電柱化が必要です。

日本は世界でも有数の地震多発地域

日本は、複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。

昨年1年間で震度4以上の地震は55回も発生しており、加えて毎年のように、台風や集中豪雨、竜巻などが発生する、自然災害の多い国です。

阪神淡路大震災・東日本大震災

1995年阪神淡路大震災が発生しました。死者6,437人、行方不明者3人、負傷者43,792人をだす深刻な被害をもたらしました。その被害を深刻なものにさせ、また復興を遅らせたものの原因の一つに道路が遮断されたことがあげられます。

また、1995年の阪神淡路大震災では、8,100本の電柱が倒壊し、2011年の東日本大震災では56,000本の電柱が被災しました。倒壊した電柱や電線は住宅を損壊させるだけでなく、緊急車両や生活物資の輸送路を塞ぎ、災害復旧に影響を与えました。

電柱が倒れることで道路が塞がり緊急車両の通行が遮断され、ライフラインも遮断されます。そのため通行可能なほとんどの道路では交通が集中し、大渋滞が発生し、より復興が遅れたといわれています。

そのなかには直接電柱が倒壊したものもありますが、建物の倒壊により電柱が倒れたものもあります。

国土交通省の資料からも、地震や台風などさまざまな災害により電柱が倒壊していることがわかります。電柱の倒壊を防ぎ、より迅速な災害からの復旧・復興のために、できることはあるのでしょうか?

無電柱化は災害に強い!

こうした電柱被害は、電線地中化(無電柱化)されていれば、発生することはありません。
電線地中化は地震に弱いのではないですか?とよく聞かれますが、全く逆なのです。
阪神淡路大震災での、ケーブルの被災率を比べると、地中線の被災率は架空線の80分の1なのです。

 

電線地中化(無電柱化)は地震に強いのです。地中に寝かせているパイプ(配管)と、2m程度の根入れで垂直に立つ電柱と、地面が揺れた場合にどちらが強いかは考えていただければわかると思います 。

日本は今後50年内に東海地震が発生する確率は約80%、東南海地震は約80~90%といわれています。それが発生してからでは、災害に対する対策は遅いのです。

台風や地震が起こる前に事前の対策をとる必要があります。災害時の時には交通可能な道路が必要不可欠です。
電柱倒壊による道路封鎖を防ぐそのために、災害に強い国づくり、まちづくりには電線地中化(無電柱化)が不可欠であると考えます。
東日本大震災で災害に敏感になった住宅購入予定者は、住宅に免震だけでなく、災害に強い電線地中化も志向しています。ただ、案件が少ないことにより、このニーズは満たされていないのが現状です。

台風停電対策・離島にも無電柱化を!

日本は、毎年のように、台風や集中豪雨、竜巻などが発生しており、自然災害の多い国でもあります。
近年の台風は風速40m/秒、50m/秒を超える勢力の強いものも多く甚大な被害をもたらしていますが、電柱は風速40m/秒を超えると倒壊するといわれています。

令和元年台風第15号による被害

▲ビニールハウスと電柱とが絡まり倒壊(千葉県船橋市)

関東では過去最強クラスであった台風15号では、停電被害が長引いています。
今回の台風の最大瞬間風速は千葉市で57.5メートル(午前4時28分)。最大停電件数は約934,900軒となっており、停電の主な原因は、暴風雨・飛来物による配電設備の故障で、千葉県君津市においては、送電線鉄塔(2基)も倒壊していました。
台風被害を防ぐため、安心・安全に電力を使うためにも、無電柱化でインフラの強靭化をすすめたいものです。

平成30年台風第21号による被害

▲2018年台風21号での被害(大阪府)。電柱は1,000本以上倒壊しているとの情報も。

台風21号では、強風による電柱の倒壊や、電線が切れたり電柱の変圧器に飛来物が当たって故障したことなどにより、大阪府・和歌山県などを中心に8府県で延べ約220万戸が停電する被害がありました。
関西電力の報告書によると、被害状況が架空線と地中線とに分けて書かれています。

架空線の被害

◇支持物(電柱折損倒壊等) 1,343本
【内訳】
折損・倒壊:881本 (うち倒木、飛来物等:788本 地盤の影響流出含む:93本 )
傾斜・沈下・ひび:462本
◇高圧線の断線 混線等 4,914径間
◇変圧器の損傷・傾斜等 362台

地中線の被害

◇地上機器の浸水等 38台
◇地上機器の損傷・傾斜等 0台
◇ケーブル損傷等 544m

和歌山県・三重県などでも台風で電柱倒壊被害があった

▲台風18号と電柱電線の被害で倉庫が倒壊し、 手前にあった電線 に引っ掛かった後 電柱も倒れてしまった。
和歌山県新宮市

▲風で飛んだ屋根が電線に引っ掛かり 電柱が倒れた 三重県津市

 

沖縄県の離島にこそ、停電被害を軽減のために無電柱化を!

台風停電や豪雨の停電対策としての無電柱化について、沖縄の離島を例に取り上げたいと思います。

電線の地中化は、沖縄県の離島にとって、台風襲来時の停電被害を軽減する効果があります。小さな離島はもろに台風を受けて、電柱倒壊 断線による停電が起きやすく、台風の後も余波で船が運行せず、資材が搬入できない場合が多いのです。

国土交通省の施策で各地域ブロック毎の「電線類地中化協議会」というのがあって、従来から本島の市街地の道路や国道沿いで電線が埋められています。しかし、これは景観の改善を目的とする道路行政の一環であり、阪神大震災で災害対策が強調されるようになりましたが、本来台風から電線を守るという観点はありませんでした。そのために台風被害が深刻になりがちな離島が、地中化事業の対象外にされてきました。

2001年9月、ニューヨークの貿易センタービルに旅客機が衝突したちょうどその時間、沖縄では台風16号が吹き荒れていました。この台風は各地で猛威を奮ったが、特に県内で初めての災害救助法が適用された渡名喜島では停電が5日間に及びました。
渡名喜島は、台風を避けるために道路より低く掘り下げた独特の屋敷構造で有名でありますが、これのために多くの家屋が軒下まで浸水しました。そのうえ停電で海水淡水化施設や貯水タンクのポンプが停止したことによる断水まで加わって、住民生活は難渋を極め 、近隣の座間味島や阿嘉島でも同様に島全域が停電しました。これらの地域は、それまでの台風でも同様の被害を繰り返しているようです。

電線地中化(無電柱化)で電線を埋めて地中を通せば風が当たらず、台風による電柱倒壊・落雷・断線はなくなり問題が抜本的に解決します。台風が常襲する沖縄県では、電線類地中化を本来の目的である道路の景観改善よりも、もっと台風対策にシフトするべきだと考えます。
参考文献:webイベントステーション~市民の市民よる市民のためのメディア~