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無電柱化コラム

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2024.04.17

情報誌”グランじお”85号~最新情報を毎月お届けしています!~

グランじお85号

皆さん、こんにちは!今回は、国土交通省の部会で、民間の立場から無電柱化の推進について議論し、提案している民間サブワーキンググループ(SWG)の紹介と現在議論している無電柱化推進への提案をご紹介します。ちなみに当社代表の井上がこの民間 SWG の主査を務めています。

民間 SWG の役割とは

無電柱化が進まない原因の一つとして、「コストがすごくかかる」「工事期間がかかり過ぎる」という課題があります。
国土交通省の部会は、その解消のために無電柱化スピードアップ WG と低コスト推進WG、また面整備事業における無電柱化推進WG も新たに加わり、その低コスト推進 WGの下部組織の一つとして民間 SWG が設けられています(下図)。

民間 SWG で検討されていること

民間 SWG では、現在、大きく分けて二つのテーマに取り組んでいます。

一つは低コスト製品・工法技術の発掘です。
民間 SWG は、井上代表が理事・事務局長を務める NPO 法人電線のない街づくり支援ネットワーク(NPO 無電柱ネット)を通じて広く募集をし、現在、多くの製品・工法が認められ、実証段階のものも含め、国交省の HPや「道路の無電柱化 低コスト手法導入の手引き(案)-Ver.2」などで紹介されている。

【参考】国土交通省:道路の無電柱化 低コスト手法導入の手引き(案)-Ver.2

前述の「低コスト手法導入の手引き‐Ver.2‐」は、名称をかえて今春改訂版が発出される予定です。
そこにも低コスト製品・工法がいくつか紹介される予定ですが、実際の施工現場でどんどん普及しているかと言えば「?」と言わざるを得ない。規制緩和や電線管理者が積極的に導入を進めるようにならないとなかなか難しい。そのためには、国交省が推奨している NETIS 登録をすることや、電線管理者に積極的に実証試験してもらい、裏付けをとってもらうことが必定である。

二つ目は、民間の立場(厳密言えば現場の状況)から、無電柱化施工の際に生じている問題点を取り上げ、その問題点の解決法も合わせて検証・議論し、「コストダウン」と「スピード UP」を現実化させるというものである。具体的な内容は、後述で紹介させていただきます。2 か月毎の開催。

 

無電柱化推進技術検討会では…。

さて民間 SWG の上部組織である無電柱化推進技術検討会では、どのような議論がされているかというと、個人的な見解になりますが、無電柱化推進に関する様々な課題に関して有識者が下部部会と連携して議論し、克服していくといえばよいでしょうか。無電柱化の施工に関しては、各地方でサイズや使用する部材が全然違っていたりしている。その統一を図ること。また、低コストの製品や工法の障壁となっている規制をどれだけ緩和してコストダウンを図れるかなどが検討されている。2 か月毎の開催。

今年度の民間 SWG で議論されている主な事例

➀ 地上機器の置場、前倒しで協議

② 通信管・PV管の統一

通信管

結 論

通信管・PV管の統一

※Φ75に統一しては←統一は可能では?
・電力管にしても管の種類をできるだけ絞る。
※地域によって使用サイズが違う点を留意
・但し・・・φ81について考慮しておく必要がある。
・今後益々問題になる資材供給不足・人材不足に備える必要がある。今でも厳しい状況

③ 側溝管の貫通 イレギュラーをレギュラーに

♦従来型の電線共同溝では管路が深い為、あまり影響が無かったが稀に側溝を貫通する事があり、その度に協議が必要だった。電線共同溝の分岐部から施設へ引き込む為の電線用の管路が排水用の側溝にさえぎられて下越し・上越しができない場合にやむなく側溝を貫通して管路を引き込むことがある (防災(排水)面でも協議が必要)。
低コスト浅層埋設の標準化に伴い、標準的に管路が浅く下越しが難しくなることで側溝貫通の機会が増えその協議の時間が無電柱化のスピードアップを阻害する可能性があるのでその対策をマニュアル化する事でコスト減と効率化を推進する。

④ FEP管の歩掛の問題

~地域(地整)による…を統一してイレギュラーをレギュラーに~
電線共同溝の電線管は塩ビ管が主流であったがそれに代わる低コスト材料として角型FEPが無電柱化マニュアルに掲載され、北海道・中部・四国地区の国土交通省や東京都の無電柱化(電線共同溝)工事で正式に採用、実際に施工されている反面、他のエリアでは採用が進んでいない。
理由としては電力事業者からコンセンサスが得られていない等もあるが施工業者から「施工性が悪い、通線時のリスクが大きい」等の話がある中で特に施工歩掛が塩ビ管より圧倒的に安いとの話が挙げられた。意見を聞くと、安くないという地域もあり、そこでは採用と施工が進んでいる。
施工性を上げる方法(北海道マニュアルや中部地区でのケージ使用等)の拡散も必要ではあるが、ここでは歩掛の問題を掘り下げて解決に向けた問題提起(確認を行う為の仮定)を行っている。

⑤ 小型BOXを露出型から埋設型へ

小型ボックスの特徴(国土交通省)
・電力線、通信線の同時収容
・電線共同溝本体のコンパクト化による掘削土量・仮設材の削減
・特殊部の小型化により大型クレーンが不要
・支障移設の減少
・小型ボックス内には、道路付属物としての管路は設置しない
・路面露出で整備することによる高いメンテナンス性(セキュリティの担保に留意)等
小型BOXを露出型から埋設型へ見直すことで、施工性や維持管理、歩行時の安全性や景観性などで利点がある。

⑥ 標準部材の見直し→拡大してはどうか

上図は1例である。大胆かつ抵抗が予想される案だが、人口減少が確実な中、流通・商流の効率化は喫緊の問題。NPO団体・発注者・電線事業者・商社・施工業者・メーカーにより精査して進めることで、大幅な効率化・コストダウンが実現可能。

説明した➀~⑥の他、様々な議論が行われている。

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