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無電柱化コラム

無電柱化ニュース ,

2024.01.19

11/10 の無電柱化の日に行われたセミナーから学んだこと

グランじお83号

じおの羅針盤
11/10 の無電柱化の日に行われたセミナーから学んだこと

皆さん、こんにちは!今年も 11 月 10 日の無電柱化の日がきました!111 を電柱に見立て、0(ゼロ)にする。無電柱化の日は 2016年 12 月 16 日に施行された無電柱化推進法の第 10 条第 2 項に明記されています。
〇無電柱化推進法第 10 条
(無電柱化の日)
第 10 条 国民の間に広く無電柱化の重要性についての理解と関心を深めるようにする
ため、無電柱化の日を設ける。
2 無電柱化の日は、11 月 10 日とする。
3 国及び地方公共団体は、無電柱化の日
には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。

1110・無電柱化の日セミナー

11 月 10 日、無電柱化推進法第 10 条第3項に基づいて無電柱化の日セミナーが開催された。国土交通省、無電柱化を推進する市区町村長の会、(一財)日本みち研究所、そして当社代表の井上が事務局長を務める NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークの共催で実施。
2 部構成で、1 部は、国土技術政策総合研究所(国総研)からの、今年 7 月に充実改訂された「無電柱化事業における合意形成の進め方ガイド(案) ver.2.0」の紹介、全国の合意形成事例の紹介、また金沢市からの「無電柱化の取組事例」の紹介が行われた。二つの講演とも、地方自治体担当者に向けてどのようなかたちで無電柱化を進めればよいのかを示す内容だった。無電柱化の現状は、下のグラフにあるようにほとんどの自治体で手をつけられていない状況だ。

無電柱化のハードルをあげている要因は、
・コストが高い
・工事期間が長い(担当者の異動で分断)
・専門の担当者がいない。知識不足
・電線管理者との調整が難しい
・住民との合意形成が図りづらい
などがある。
金沢市さんの「無電柱化の取組について」では、街づくりにおいては、景観・観光が重要。そのための武器として、無電柱化がある。無電柱化をすることによって、良好な歩行空間の確保や防災にもつながるとい
う、はっきりとした目標・目的をもったブレのない政策を実施されている。その政策の下、関係者が定期的に集まって計画づくりを行っている点が着実に無電柱化を進めている要因になっている。

全体像
『無電柱化による魅力あふれるまち・金沢』
基本方針
景観・歴史まちづくり
観光・商業まちづくり
安全・安心まちづくり

金沢市のひがし茶屋街

第2部の鼎談で出た様々な提言

出演者:国土交通省道路局環境安全・防災課交通安全政策分析官 田中 衛、
NPO 無電柱ネット顧問、(一財)日本みち研究所専務理事 森山誠二、
NPO 無電柱ネット副理事長、放送大学教授 松原隆一郎
司会:NPO 無電柱ネット理事・事務局長 井上利一

国土交通省の田中分析官の事例紹介

無電柱化を進めるのに前提となるのが無電柱化推進計画である。その無電柱化推進計画が東京都以外の自治体ではほとんど策定されていないのが現状である。策定 164 自治体/全国
1718 自治体(図参照)。
無電柱化推進計画が策定されていたとしても、無電柱化の予算を確保するため、国からの補助を得るために、とりあえず国の無電柱化推進計画を流用したかたちで済ませている自治体も少なくない。事例紹介で発表された金沢市のような自治体は稀である。

現在、無電柱化を推進する市区町村長の会の参加自治体は300近くあるが、それをかなり下回る 164 というのが現状。
このような現状についての見解として、自治体で無電柱化に携わる担当者は数名で、しかも街づくりの担当は都市計画課、道路担当は道路管理課と部署が分かれていたりして、横の連携がとりづらい。そこへ来て、本格的な無電柱化推進計画を立てるにしてマンパワーが足りず計画を立てるのが難しい面もある。首長からのトップダウンの意識も必要となってくる。この状況に対して国土交通省では、国、都道府県、市区町村、更には関係省庁が連携し、無電柱化の重要性の理解を深めることを目的に、地方公共団体等を対象に全国 10のブロックで無電柱化に関する講習会を開催した。

講習会の際に、無電柱化の日の告知をお願いしたところ、かなりの自治体がホームページで無電柱化の日を告知した。無電柱化の日を紹介した自治体に関しては下記のNPO 無電柱ネットのホームページから確認できる。

「無電柱化の日」広報活動紹介(国交省・各自治体)と過去の当 NPO 無電柱化イベント紹介

今回のセミナーで出た主な提言をご紹介します。

森山 NPO 無電柱ネット顧問の提言

〇各社ともレベニューキャップ制度に伴い事前に発表した今後5年間の実施目標には、達成が前提との姿勢を示しながらも、「無電柱化の推進には協力する」という姿勢で、自主的に無電柱化を進めるという感じまでには至っていない。
〇今回の電力会社が示した 5 か年計画は、数字的にはまだまだ物足りないが、計画を出した以上はそれを期間内に達成させないといけないという義務が生じた。しかも、この数字は着手までではなく、電力会社の所有物である電柱抜柱までを含めた数字であることだと解釈する。これは大きな成果である。
〇第 8 期無電柱化推進計画と電力各社の 5 か年の事業計画はすでに出ているので、自治体からアプローチするのは、次回、第9期無電柱化推進計画が始まる前に地元案として要望を出さないと盛り込むことはできない。さらに言うと、その後の電力会社の事業計画に上乗せすることもできない。
〇以上の点を踏まえると、次年度が自治体にとって無電柱化推進計画の正念場となりそうだ(図参照)。

松原 NPO 無電柱ネット副理事長からの提言

〇日本は高度経済成長期に様々な公害を生み、それを徐々に解消・解決していった。がしかし、唯一公害として残っているのが電柱・電線で、今の日本の道路に悪影響を及ぼしている。
〇無電柱化は、ただするだけでなく、街づくりの一環として考えないといけない。
〇東京都の無電柱化はかなり進んできてはいるが、セットバックしてせっかく道路が広くなっているのに電柱が残っていたりする。私の知人で、車椅子のお年寄が夜間に歩いていると、電柱にぶち当たったことがあったとのこと。車の事故にもつながる。
〇外国では、近年、自転車を交通手段にする考えが定着し、専用道路が整備されてきている。歩道を有効に使うために、街路樹があまりなく、そのかわりに憩いの場としての広大な公園を設け、そこに多くの樹木を植え、CO 2 の削減対策をしている。
〇日本の街路樹は電柱・電線を隠すための存在となっている。日本でも街路樹の配置を工夫して歩行空間や自転車通行ゾーンを確保することなどを検討する必要がある。
〇SNS のおかげで、最近は、日本人が知らないところまで外国人が旅行にきている。先日、ある地方都市の居酒屋で食事をしていると、多くの外国人が来ていて「どうしてここに来ているの?」とたずねてみると
「sightseeing」と回答。地方の首長さん、是非お考え下さい。
無電柱化によって経済効果が必ず得られますよ!

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