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2024.02.03 | テスト

無電柱化手法のひとつであるケーブル直接埋設方式のメリットとデメリット

ケーブル直接埋設(直埋設)の考えられるメリットとデメリットをご紹介します。

国土交通省と(社団法人)国際建設技術協会の調査報告書では、
『海外の電線類地中化の方式は、イギリス、フランスでは直接埋設方式、アメリカ、カナダでは管路方式を採用している。』
としています。

特徴と検討課題

直接埋設方式の特徴

・道路敷地内へ直接、電力・通信線を埋設
地中化における管路が不要となることによる、掘削土量・仮設材、資材の削減 等

直接埋設方式は、道路敷地内へ直接、電力線や通信線等を埋設する方式です。浅層埋設方式による管路や、小型ボックス等の電線類の収容部材が不要となり、常設作業帯等が確保できる路線においては適用の可能性があります。また、既存埋設物(上下水道管やガス管等)との干渉が減少することにより支障移設が減少する可能性があります。

出典:国交省資料(道路の無電柱化低コスト手法導入の手引き(案)- Ver.2 -)

直接埋設方式の課題

ケーブルの保護と他企業掘削等による保安の確保、舗装の健全性の確保
・機器接続部等のケーブル以外の諸機材について長期信頼性、保全業務更新についての検討
・常設作業帯の確保と地域住民の理解

直接埋設方式の場合、埋設されたケーブルが埋戻し材や車両等の上載荷重によって損傷することや、埋戻し後において舗装に段差や破損等が生じること等が懸念されるため、ケーブルの保護と舗装の健全性の確保が課題となります。

また、公共工事として自治体発注の整備事業の場合、設備の管理区分の設定、工事負担費用の割合など、関連する各機関および地域住民との協議内容が複雑化し、調整も難しいと考えられます。事前の整備計画にも相当な時間と費用を要する可能性があり、実際に導入されるまでには、長期に渡り事前調査をする必要があります。

実際に施工した場合に考えられるメリット、デメリット

メリット

1) 施工条件が整っている場合は、コスト縮減ができる可能性がある。

2)工事全体の期間が短くなる可能性がある。

デメリット

1)公共工事で発注される電線共同溝などでは、一般的に開削工事で日々復旧し、道路を交通解放する条件下で施工するため、ケーブル直埋設だと接続部が日施工=10m~20m程度の距離ごとに必要となる(ケーブル敷設業者が当日に施工する場合は、施工時間帯や工事車両の待機場所、待機時間など近隣への影響が大きい)。
したがって工事進捗が伸びない、接続する工事費も増えると考えられる。また、進捗を伸ばすには歩道や道路を開削したままの状態が、長期になると考えられる。

2)工事規制区間がかなり大きくなると予想できる。(交通渋滞が発生しやすい。)

3)電線ケーブルは、電力会社と通信会社の施設(財産)であるため電線ケーブル敷設を管路埋設のように一社では、対応できない。

4)単独地中化方式のように、各電線事業者による整備になる可能性があり整備が進まないと予想される。

5)道路横断箇所は、掘削溝を覆工板などで仮復旧または、管路埋設で対応する必要がある。※直埋設だけでは対応できない。

6)配管材料のように硬質ではないため、直接的な配置が難しく埋設位置、深度など管理点が不明確になりやすい、よって維持管理が難しい(他の埋設管路との隔離確保が難しい)。

7)耐久性については、管路内に配線した場合のケーブルと同等の耐久性を得るには、価格が管路配線用ケーブルより高価になる。

8)土質(礫)によっては、ケーブルが土圧で経年破損する恐れがあるので保護砂の層を管路より厚くする又は、コンクリート防護する必要がある。(偏土圧のかかる恐れがある場合)

9)他企業の工事により破損(切断)した場合に、重大事故につながる可能性がある。

10)断線の補修工事をする場合、設計で予備ケーブルを計画していない場合は、復旧まで停電や不通などの状態が長時間に及び可能性がある。

11)直埋設した電力ケーブルより漏電が長期にわたって発生した場合に、その電気が迷走電流(注1)となりその他の金属系の埋設物を損傷させる可能性がある。(漏電の遮断機能などにより可能性は、0%ではないが極めて少ない。)

直接埋設方式の適用について

適用条件と適用箇所例

  • 適用条件
    ・電力・通信・放送の需要密度が低い地域。
    ・電力・通信・放送の需要変動が原則見込まれない地域。
    ・他企業による埋設物の存在や掘削工事の頻度が低い地域。
    ・他企業による掘削工事が生じる頻度が低い道路構造(保護路肩等)。
  • 適用箇所(例)
    ・郊外地のほか、公園や寺院等の周辺を想定。
    ・例えば、需要が街路灯のみで、その他需要が見込まれない地域(一般需要家への適用には、事故時の復旧が長期化する等の住民の理解が必要)。
  • 埋設深さ
    埋設深さについては、浅層埋設方式と同じ基準を適用(ただし、電力ケーブルは「電気設備の技術基準の解釈(第 120 条第 4 項)」に従う必要がある)。

直接埋設方式では、新たな需要発生など需要変動が起きた場合、再掘削や新たな分岐装置の設置が必要となります。当該箇所では需要変動前に要した整備費用(イニシャルコスト)と同等な費用が発生する恐れがあるため、沿道の電力・通信等需要の安定性や土地利用の安定性(市街化調整区域等)、大規模な需要変動を伴う開発行為等に留意する必要があると考えられます。

また、直接埋設方式によって電力線や通信線等が既存埋設物(上下水道管やガス管等)に近接して埋設された場合、上下水道管やガス管等の他企業の誤掘削による事故が発生するリスクがあります。このため、直接埋設方式は既存占用物件の存在や他企業による掘削工事の頻度が低い地域に適用することが望ましいとされ、郊外地や公園、寺院等の周辺のほか、需要が街路灯に限られるなど需要がほとんど見込まれない地域等での適用が推奨されています。

なお、埋設深さは浅層埋設方式と同じ基準が適用されますが、電力ケーブルについては、「電気設備の技術基準の解釈(第 120 条第 4 項)」に別途基準があることに留意し、占用企業者と合意の下、防護板の設置等、安全対策に十分留意した深さとすることが必要となります。

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